不登校の子どもには、心から「聞く」スタンスが必要です。

2021/07/06 子育て

不登校が発生すると、学校の教員や親が、いろいろな方法で子どもの『不登校という問題』にアプローチします。当然ですよね。

それでも、子どもはなかなか学校に行けるようにはならないものです。

ある不登校経験者はこう言います。

「みんな、『聞く』のではなく、【話す】というスタンスでアプローチしてきます。

私に聞いてくるのは、『どうするの?』『どうして行けないのかな?』という、私にとっては責めの質問ばかりでした。

そうなると、普通の会話なんてできません。

私は内心、この人たちとはまともな会話ができないだろうな、と思っていました。

なにを言っても責められるし、どうせ受け入れてもらえないと思ってしまいました。

口では心配しているように言っても、大人たちの言葉以上に、態度に、私に対する『責め』が表れていました」

 

その子の父親は、『どう考えてるのか』『今後はどうしたいのか』という質問をしてきました。

おばあさんは、『昔は自由に勉強が出来なかった』という苦労話をしてきました。

母親は、『どうしてそんなに困らせるの?親を困らせて、ひどい子…』と涙ながらに訴えてきました。

こうなると、子どもはなかなか本心を出せませんよね。

「なんでなの?」と聞かれても、不登校の原因は、実は本人にも分からないことが多いのです。

人間関係に対する疲れだったり、明確ないじめだったり、担任からの叱責だったり、学習面での不安だったり、家族との問題だったり…

いろいろなことを経験しているうちに心のキャパシティを超えてしまい、学校に行く力がパタッと消えてしまう…

不登校とは、そういうものです。

だから、次第に不登校の子どもはこう考えます。

親や先生からの質問には答えられないし、親の夢は叶えてあげられない。

親の理想の子どもではいられない…。

そして、そんな自分に嫌気がさして自分のことを責めるしかなくなってしまいます。

自ら、「ダメな子」だと。

周囲の圧力を感じながら、「自分はダメ」というレッテルを自分で貼ってしまうことになります。

子どもの本音は、このようにして自分の中、心の奥深くにしまいこまれます。

そして、『できない自分』にこの先も苦しんでしまうのです。

さらに、不登校は、学校の卒業と同時に終わるものとは限らないのです。

お母さんは、子どもが卒業証書をもらったら『不登校は終わった』と思ってしまいがちです。

でも、表には出なくても、実は、本人にとっては不登校が、後を引くケースがあります。

「卒業してからも、ずっと生きづらかったです」

このように漏らす人もいるのです。

このケースは、

どこに問題があったのでしょうか。

どこにボタンの掛け違いがあったのでしょうか。

私が思うに、本当の意味での、周囲の『聞く』という態度ではないでしょうか。

学校に行かなくてもいい。

学校に行くことが目的ではない。

子どもが幸せに生きることが親や学校の幸せ。

このスタンスで、今、目の前の子どもが何を感じているのか、にフォーカスして接してあげたら、たとえその結果、学校に行くことができなくても、大人になるまでずっと不登校の経験がその子の人生に暗い影を落とす、ということは無かったのではないでしょうか。

もしかしたら、お母さんにも、「聞いてもらう」というアプローチが必要だったかもしれません。

子どもも苦しいのですが、お母さんも苦しいのです。

母親として、自分の育て方を責めたりしていると、次第に、自分に向いていた思いが子どもに向いてしまうことがあります。

子どもを責めて、攻撃して…

これは悪循環です。

お母さんが、その思いを吐き出すことで、気持ちがラクになり、少しでも笑顔になれたら、それが、きっと子どもにもプラスの影響を与えます。

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